6月18日、世界保健機関(WHO)が、ゲーム障害・ゲーム依存症を「疾患」として認定しました。
これまでも、スマホゲームやパソコンのオンラインゲームに熱中しすぎることに注意喚起がされてきましたが、この認定をきっかけに本格的に、ゲーム障害・依存症対策が行われそうです。
そこで、今回はゲーム障害・依存症とはどんな症状が出るのか、その原因とはなんなのかについてまとめました。
また、ゲーム障害・依存症の判断基準チェックや予防・治療法もご紹介いたします。
この記事があなたの子供をゲーム障害・依存症から救う一つのきっかけになれば幸いです。
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目次
WHOが「疾患」と認定した”ゲーム障害・依存症”とはどんな病気?症状は?
世界保健機関(WHO)が6月18日公表した、改訂版国際疾病分類「ICD―11」の最終案にゲーム障害・依存症が「疾患」である明記されました。
2019年5月のWHO総会で正式決定されます。
“ICD”というのは日本をはじめ多くの国が死因や患者の統計、医療保険の支払いなどに使う病気やけがの分類です。
そもそもゲーム障害というのは、スマホやパソコンで利用するオンラインゲームなどへの過度な依存によって日常生活に支障をきたす病気のこと。
厚生労働省の調査では、成人約421万人、中高生約52万人がゲームなどのネット依存の恐れがあると推計されています。
「ゲームをしたい欲求を抑えられない」、「ゲームをすることを他の日常生活の活動よりも優先してしまう」、「家族関係、仕事、学習などに重大な問題が生じていてもゲームをやめることができない」といった症状が12カ月以上続いた場合、ゲーム障害と診断されます。
ただし、特に進行の早いとされる幼少期においては、全ての症状にあてはまり重症であれば、より短い期間でも依存症とみなされる可能性も。
現在、日本政府はゲーム依存症を防いだり依存傾向のある人を早期発見したりするための対策をほとんどとっていませんので、今後の対策が求められます。
ちなみに、飲酒などと同様にゲームをする行為自体が問題とされたわけではありません。
あくまでもゲームとの接し方次第で依存症になってしまうということですね。
「酒は飲んでも飲まれるな」といいますが、同じような感じですね。
ゲーム障害・依存症になる原因とは
それではゲーム障害・依存症になる原因はどんなものがあるのでしょうか?
個人的には「ゲームが面白すぎなんじゃないの?」と思ってしまいましたが、事態はかなり深刻のようです。
例えば、子供の場合、勉強のちょっとした息抜きにスマートフォンやパソコンのゲームをしても、しばらくした後に勉強を再開するなど、どんなに夢中になっていてもスマートフォンの利用時間を制限できるのであれば問題ないのですが、勉強そっちのけでスマートフォンやパソコンに没入してしまう場合があるようです。
このようなゲーム依存症の傾向は、何かから現実逃避したいという気持ちからやってきていることが多いとのこと。
久里浜医療センター院長である樋口進先生の『ネット依存症』(PHP新書)によると、スマホ(ネット)依存に陥る原因の典型は、人間関係のトラブル。
たとえば、多感な中高生時代ならば、入った部活の人間関係がギクシャクしたり、いじめにあったりというようなことから、ストレス発散目的でスマートフォンゲームにはまって夜中までプレーしてしまう。
もともと成績が優秀な子供がゲーム依存になる場合も多く、保護者も今までに体験したことのないゲーム依存症への対処に困って、子どもの話を傾聴ゆっくり聞くことができず、怒ったり強制的に利用を制限したりすることで、さらに子どもとの関係が悪化し、子供が引きこもっていくのだとか。
つまり、リアルの人間関係がうまくいかずに、ゲームの世界に逃げ込むわけですね。
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あなたの子供は大丈夫?ゲーム障害・依存症判断基準チェック!
「自分の子供は大丈夫」と思っているあなたも、一度ゲーム障害・依存症の判断基準チェックをしてみてはいかがでしょうか?
2 ゲームができないときに、イライラやソワソワしてしまう
3 ゲームをする時間がどんどん増えている
4 ゲーム時間を減らす必要を感じ、そしてそれでも減らせなかった
5 ゲーム以外の趣味や娯楽が楽しくなくなってきた
6 生活・社会的に問題があり、そうだと分かっていても、ゲームを続けてしまう
7 家族などに対して、ゲームの使用時間についてウソをついたことがある
8 ネガティブな気分を解消するために、ゲームをしたことがある
9 ゲームをすることで、大事な人間関係・仕事・勉強などがおろそかになったことがある
「マンガで分かる心療内科」より
以上のチェック項目に5つ以上当てはまると要注意のようです。
とはいえ、重要な判断基準は「プレイしていて、生活で困難が生じるかどうか」。
たとえプレイしていても、それによって困難が生じていないのなら問題ないでしょう。
ゲーム障害・依存症の治療法は?
現在政府としては具体的な治療法を示してはいませんが、医師や臨床心理士らによるカウンセリングが治療の主体となりそうです。
お酒はタバコと同じく、意思が弱くてゲームをやめられないのではなくて、依存症という病気だということですね。
ゲーム障害・依存症は多くの場合、対人関係がうまくいっていないことが原因ですので、カウンセリングによって、不安に思っていることを聞いてもらって、少しでも悩みが解決できれば、ゲームに逃げることも少なくなるはずです。
また、ゲーム以外に熱中できるものを与えて上げることも有効のようです。
スポーツや料理などはどうでしょうか?
ストレス発散にもなりますし、体を動かしたり、頭をつかうことは非常に良いことですよね。
いずれにしても、ポイントは
・対人関係のストレスを別で発散する
・ゲーム以外でストレスのはけ口を見つける
ということでしょうかね。
ゲーム障害・依存症は予防も大切
病気は何でもそうですが、ゲーム障害・依存症もそうなる前に予防することが大切です。
もし、まだゲーム障害・依存症ではないにしても、今のうちから予防しておくことは非常に有効。
例えば、1日どれくらいの時間ゲームに費やしているかを記録したうえで、1日の上限時間を決めます。
また、「食事中はゲームしない」、「ベットに入ったらスマホはいじらない」、「21時以降はスマホ禁止」などの制限を設けるのもいいでしょうね。
そして、もしその上限時間や制限を破ってしまった場合のペナルティも設けておくことも大切です。
もしペナルティがないと結局歯止めが効かなくなってしまいますからね。
これらは家族の協力が必要ですから、子供をゲーム障害・依存症から予防するために力を合わせましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回はWHOが「疾患」として認定したゲーム障害・依存症の症状、原因、治療法、予防法についてまとめました。
アルコール依存やニコチン依存と共通している部分も多いので、周りからの協力が必要です。
また、毎日の学校生活で家族が見えないところで子供はストレスを感じているかもしれません。
一方的にスマホやパソコンを取り上げるのではなく、まずは、子供の声を聞いて、子供の気持ちを知るところから始めてみてはいかがでしょうか。
最後まで読んでいただきありがとうございました。